「きんぎょがにげた」は1歳や2歳でも楽しめる探す系絵本
今回パパが紹介するのは、この絵本
タイトル:「きんぎょが にげた」
さく:五味太郎
金魚が逃げまくる絵本です。
金魚以外に、飼い主などの登場人物はいません。
ただ、何かから逃げ、どこかに隠れます。
まるで逃げて隠れるのを楽しんでいるようです。
「きんぎょがにげた」はどんな絵本?
赤い金魚が水槽から逃げ出し、カーテンや鉢植え、お菓子の瓶、化粧台など色んなところに隠れます。
「きんぎょがにげた」の面白さ
きんぎょは逃げているようなのですが、どこか楽しそうです(きんぎょの表情は変わらないですけどね)。愉快です。
だって、あんなところやこんなところに隠れるのですから。
絵本の中に何かを探すというのはちょっとした遊び、ゲームです。このようなパターンの絵本は他にもあります(ウォーリーを探せ、も代表的ですね)が、「きんぎょがにげた」は1歳、2歳の子にとって難易度がちょうどよいです。
大人と子供が一緒にできるゲームと考えて、きんぎょ探しを楽しんでみましょう。
「きんぎょがにげた」の学習ポイント
どこに隠れたのか探すことで、物の形の見分け方や、似ているという感覚を覚えることができます。
きんぎょは、自分に似たものの中に隠れます。きんぎょの特徴をつかんでいなければ見落としてしまいそうです。見つけたときは子供は大喜び!
読んであげる大人は、書かれている通りに「こんどは どこ?」などと口に出してみましょう。子供は必死になって探します。
何度か読むと、きんぎょがどこにいるのか覚えてしまうでしょう。こちらがどこか聞く前に「ここ!」と言って指し示すはずです。
そのときは、じゃあ「バナナはどこ?」のように、他のものを指定してみるのもいいかもしれません。絵の中には他にも色んなものがあるからです。
「あれ、タンスから靴下がはみだしてる!」
みたいに、思わぬ発見を自主的に見つけられるようになると面白いですね。言葉を覚える役にも立つはずです。
「きんぎょが にげた」ぜひ手に取ってみてください。
「かぼちゃひこうせん ぷっくらこ」レビュー アクション性豊かな哲学的物語
今回パパが紹介するのは、この絵本
タイトル:「かぼちゃひこうせん ぷっくらこ」
ぶん: レンナート・ヘルシング
え: スベン・オットー
やく: 奥田 継夫、木村 由利子
古本屋さんで見かけ、絵柄が気に入ったので内容も知らず買いました。
絵本多しといえど、なかなか自分の好みに合うものがありません。
しかしこの「かぼちゃひこうせん ぷっくらこ」」これはドンピシャでした。
とはいえ文字もページ数も多くて、まだ1歳過ぎの娘には早いかなと思っていたのも確かです。
すごくインパクトのある絵があるわけでもなし、仕掛けもなし、主人公となる熊の絵もリアル路線で、興味をひかれないのではと。
少なくとも最後まで話を聞いてもらえるはずがない!
ところがどっこいです。
一回目から、ちゃんと最後まで静かに聞いてくれました。
自分の好みを押し付けるのは良くないとも考えていたものの、
「さすが自分の娘!」
となんだか誇らしくなった次第です。
「かぼちゃひこうせん ぷっくらこ」は、どんな絵本?
おおくまくんとこぐまくんが主人公です(といっても、極端に大小があるわけでもないので、違いは子供にははっきりわからないかも)。
二匹の熊が種を拾うところから始まるのですが、庭に植えたところ、やがてそれが大きくなって…。
表紙やタイトルからわかるのでネタバレしますが、種から出た実は大きくなって、しまいには空も飛んでしまいます。
「かぼちゃひこうせん ぷっくらこ」における、学習ポイント
おおくまくんは、
「〇〇もまたたのし、〇〇すれば」
というのが口癖です。
こぐまくんは、がっかりしたり、あきらめたりしがち。
それをおおくまくんが、華麗にフォローして、前向きな方向に持っていくのです。
逆境に発想で対抗するその姿勢。
まさに、今の子供たちに求められていることではないでしょうか。
そして、さまざまな動作が実はたくさん盛り込まれています。
「植える」「運ぶ」「履く」「のぞく」「掘る」「食べる」「釣る」「割る」
思考と行動で、どんどん前に進んでいくわけですね。
2歳頃になれば、娘もこういった動作をわかってくれるかなあ、と。
哲学的で詩的?な内容に、大人もなんだか「ほぉ~」となる
娘が最後までこの話を聞いてくれるのはなぜだろう?と考えてみました。
途中で自分も参加できるような仕掛けがあるわけでもありません。
よく知った動物や食べ物が出てくるわけでもありません。
絵柄がかわいい、次に何が起こるのか?という興味、がまずあるでしょう。
そして、おおくまくんとこぐまくんの軽妙な会話がミソなのではと思い至りました。
訳がとてもきれいで、詩的。そして疑問形や、思い切りの良い断定、ぼやきなどが入り混じっています。
登場人物がこうやってなんだか色々しゃべっているのが、面白いの、かも。
もしくは(この絵本好きだなあ)というパパの気合いが伝わって、しぶしぶ付き合ってくれているのかも!
この絵本はとっても哲学的で、最後にとんでもないセリフがあります。
「いるかいないか わからない
ふしぎなくまを のせながら」
フィクションだと大人はもちろんわかっていても、子供向けにはあくまでそういう世界が「どこかにある」という前提で語るはずですが、なんと「いるかいないか わからない」とは! 親としては、これを子供にどう説明していいのやら?
子供は特に気になったりしないかもしれませんけどね。
なんだか疲れたとき、こっそり一人で読むのもまたたのし、かな、こぐまくん。
絵本「エルマーのあたらしいともだち」レビュー オチが素敵!ともだちの正体は?
今回パパが紹介するのは、この絵本
タイトル:「エルマーのあたらしいともだい」
作・絵:デビッド・マッキー
訳:きたむらさとし
これは娘が大好きな絵本。
生後10か月頃に買って、何回も何回も何回も読んでいます。
「エルマーのあたらしいともだち」は、どんな絵本?
象のエルマーにあたらしい友達ができたということで、サルやキリン、カバといった動物たちが、それはどんな友達かと聞いてきます。
「あたらしいともだちって せがたかい?」
「あたらしいともだち おふろ すきかな?」
といった風に、聞いてきます。
それに対して丁寧に、でもどこか含みをもたせた形でエルマーが答えます。
見開きごとに「そうだよ」「ちがうよ」「うーん」
といったわかりやすい反応をエルマーがするのですが、その度に娘は首を大きく縦に振ったり横に振ったり、「う~ん」と首をひねったりします。
何回も読んでいるのに、
「あたらしいともだちが できたって ほんと?」
の質問に嬉しそうにうなづくのが愛おしい。
「エルマーのあたらしいともだち」における、学習ポイント!
メインになる動物の他にも、鳥さんやカエルさん、魚さん、うさぎさん、ちょうちょさんなどがページの端々に登場するので、「カエルさんどこ?」と聞いて遊ぶこともできます。
月日を重ねるごとに、答えられる範囲は広がり、スピードが早くなります。
植物もたくさん登場しますが、なんともいえない不可思議な形をしていて、「木」と言ってしまっていいのか、「葉っぱ」と言ってしまっていいのか迷ったりします。
エルマーはただ歩いているだけ、動物も登場するだけなので、アクションはほとんどありません。でもカラフルでたくさんの生き物が登場するので、退屈はしないでしょう。
絵本史上に残る!? 驚愕のラストに親子で大喜び
この絵本、ただの絵本と思うなかれ。
想像を絶する素敵なラストが待ち受けています。
このオチには、娘もパパも大喜び。
知らずに読んだ方が楽しいと思うのでネタバレは避けます。
特に初めて読むときには、1ページ1ページ丁寧に読むのがおすすめ。
いきなり最後のページには行かないように!